その風景、犬だったらどう見えてる?

皆さんの中にもワン(犬)ちゃんを飼ってる方はたくさん見えると思うんですけど,

私たちが見ているこの風景と、ワンちゃんが見ている風景って一緒なのかなって思ったことありませんか ?

私たち人間は目を開ければものを見ることが出来、そして色を識別することができます。

それは、私達が進化し生き延びてきた中で、私たち人間にとって都合の良い見え方になっていると思います。

今日はそんな疑問の中でも、色彩(色)に焦点を当てて、疑問を紐解いていけるようにお話していきます。

目次

色って何?

人間が色を感じる仕組み

私たち人間は、およそ100万もの色を識別することができると言われています。もちろん色の微妙な違いを認識する能力は個人により差があります。

色を感じるのは網膜で、そこには「光の3原色」である赤・緑・青の波長を感じる3種類の細胞「錐体(すいたい)細胞」があります。 色の刺激はまずこの錐体細胞から2つの経路で視覚の感覚中枢である大脳へ伝わり、その2つの情報が統合されて色を認識しているのです。

人間が色を感じる仕組み

言い方をちょっと変えてみましょう。色を感じるのは脳、眼の機能はカメラ。

これでどうでしょうか?

光りの特性

ここで少し、電磁波(波長)というのを見て行きましょう。

電磁波というのは光の波(波長)のことで時間当たりの振幅数によってその特性が変わってきます。その光りの特性がどのように分類されるかちょっとまとめてみました。

電磁波の分類・特性

この電磁波は、波長に違いによって、特性が変わってきます。

電波

波長の長いものはAM、FMラジオあと地上デジタル放送なんかに使われるんですね。そして電子レンジも電磁波なんですね。

この波長の長い光り=電磁波が通信に使用されるのは、雨や霧などの障害物に強く、ビルなどでも反射されにくく、回折によって障害物の後に回り込む事も可能という特徴があるためです。 長波の中でも、国際ラジオ放送は短波が、航空無線などは中波が、さらには潜水艦への通信には長波が使われたりします。

人間の声の周波数は、女声は平均的に300Hz、男声は100Hzと言われます。 またNHKのラジオの時報「プ・プ・プ・ピーン」の音程は「プ」が440Hz、「ピーン」が倍(1オクターブ上)の880Hzと決められています。

赤外線

では、もう少し波長を短くしていきましょう。

今度は赤外線です。なんか暖かそうなイメージですね。

よく聞きます赤外線ヒーターは、ヒーターから電磁波(赤外線)が、放射されると非加熱物において共振共鳴されたエネルギーが分子の振動を誘発させてその物質間の摩擦により熱が発生します。これが赤外線加熱です。赤外線は皮膚からい1㎝ぐらいの深さまで届きますが、体表面近くにある血管を効率よく温めるので体全体が温まる効果があります。

また、リモコンは赤外線リモコンが多いそうです。先ほどの電波はあちこち飛んでいってしまうのに対し、赤外線リモコンは遮蔽や発光方向、到達距離の制御が容易に行えるため、その用途に向いているにだそうです。

可視光線

いよいよ可視光線の波長です。人間の眼はおよそ380~780nmの波長の光を識別できます。

人の目が知覚する波長の下界は360~400ナノメートル、上界は760~830ナノメートルとされていますが、その範囲を「視ることが可能な光=可視光」と呼びます。

可視光=光を色として見てるわけです。

この可視光線以外の範囲では先ほど説明した長い波長の光(赤外線)や、また後から説明します短い波長の(紫外線)も我々には見ることができません。

この1㎚は = 10億分の1メートルでして、髪の毛の太さの10万分の1程度の非常に小さなサイズになります。

紫外線

紫外線は可視光線よりも波長が短い光で、私たち人間には見ることができません。紫外線という言葉はよく聞きますね。特に肌への影響が大きいことから女性は特に紫外線を気にしてるのだと思います。
われわれ人間には紫外線は見えませんが昆虫などは紫外線を見ることができる種もおり、花の蜜などを識別できるようになっていると言われています。

X線、ガンマ線

さらに、波長が短くなると、体の内部を透視する医療用のレントゲン撮影や工場での検査等に利用されるエックス線、さらに波長が短くなると可視光線の持つエネルギーの1万から百万倍以上になるガンマ線として利用されます。これも放射線治療や減菌などに利用されます。

さて、光の特性がちょっと分かってきましたか?
電波も、声も、赤外線も、可視光線も、紫外線も、X線も、ガンマ線もみんな光なんですよね。

では、次に色とは何かを説明していきましょう。

色の正体

ここで私達がもし、目隠しをされて光も届かない電気もない地下室に連れて行かれたとしましょう。

そこで目を開けても私たち人間は、何一つ見ることができません。目の前は真っ暗闇であり、例えおいしそうなりんごが目の前にあっても、視覚に限ればその存在すらわかりません。

りんごの画像

そうなんです。私達は、太陽の光りや電球などの光りが当たったものしか認識できません。

言い方を変えれば、反射したものを感じとっているのです。

ここで言う反射したものとは光=電磁波であり、電磁波を頭の中で色に変えているといった方がわかりやすいでしょうか?

ん、わかったような、わからないような混乱してきますね。もしかしたら余計に分からなくなったかもしれません。

そうじゃ、もっとわかりやすく説明するのじゃ!

ここで、具体例を挙げてどのように色が見えているか考えていきましょう。

可視光線の説明

絵のような形のバスがあったとします。このバスに光が当たった時に、緑や青の光を吸収して、赤い光だけが反射します。これを見て私たちはバスが赤いと感じるのです。他の色は吸収されてしまって反射していないということです。

可視光線の波長と認識される色の対応は、

  • 360~450nm ⇒ 紫
  • 450~495nm ⇒ 青
  • 495~570nm ⇒ 緑
  • 570~590nm ⇒ 黄
  • 590~620nm ⇒ 橙
  • 620~700nm ⇒ 赤

この1㎚は = 10億分の1メートルでして、髪の毛の太さの10万分の1程度の非常に小さなサイズになります。

この範囲の波長の光を、我々人間は色として認識できているのですね。

反射された光で、判断しているということは「さっきの赤色のバスの色は本当に赤いのだろうか?」と考えてしまいますよね?

そして太陽の光に反射した光で色を判断してるわけですから、見る人やほかの動物たちからしたらもしかしたら違う色で見えているかもしれないと疑問がわいてきます

色覚の違い

地球上の生き物すべてが私たち人間と同じように
このバスが赤に見えるわけではありません。

人類は3色型色覚、哺乳類は2色型色覚、それ以外の脊髄動物(魚類・両生類・昆虫類・鳥類)の大半は4色型色覚と言われています。

まず、私たち人間やサルなどの色覚は、3色型色覚です。「長い波長域の光=赤」、「中くらいの波長域の光=緑」、「短い波長域の光=青」を主に感じる視細胞があり、これらが協働することで、まるで絵の具を混ぜるように、脳の中で虹の7色を再現できるのです。これが普段私たちが見ている色です。

そして犬や猫をはじめとする哺乳類は2色型色覚になります。2色型色覚は「赤」と「青」、あるいは「緑」と「青」の視細胞により生じていますので、その動物によって色の見え方が違ってくるのだと思います。

各々その動物の進化によって、その生活にあった色の識別ができるようになっているはずです。

人間が色を感じる仕組み

そしたら、先ほどの我々人間が見ると赤色に見えるバスは、犬にはどんな色に見えているのでしょう?

犬の景色では、どのような色に見えているのか?

先ほど、人間の網膜には錐状体(すいじょうたい)という色を感じる細胞が、3色型色覚あるため様々な色を識別できると言いましたが、犬は哺乳類であり、二色しか識別することができません。

そして犬の識別できる色は、青と黄色と言われており、赤と緑の区別が付かないと言われています。

また犬は、視力があまりよくありません。

視神経(ししんけい)とは、物を見る時に使う神経ですが、人間の視神経が約120万本であるのに対し、犬の視神経は約17万本しかありません。

「嗅覚の動物」と呼ばれる犬は、解剖学的に見ても確かに視覚を重要視していないことが分かります。長い歳月をかけこのように進化してきたのだと思います。

人間が見えている色

犬が見えている色

いろんな文献を参考に、人が見ている風景を犬が見たらどう映るか再現してみました。

人間が見てる世界と比べますと、犬には赤色が識別できません。緑と赤の区別がつかないというのはこのように見えているからだと思います。また視力があまり良くないため全体的に少し霞んで、色褪せたように見えているのでしょう。

人間は食べ物の多様化により、トマトのような果実の実も見分けることができるように赤い色が見えるように進化しましたが、犬はそのような必要がなかったのだと思います。ただ臭覚は非常に発達していて人間の比ではありません。

まとめ

どうでしたでしょうか?

私たちの見えてる世界が当たり前で、どのような動物でも同じように見えていると思いがちですが、 各々動物の進化によって必要なように見えているのですよね。私たちにとって必要な赤色は、犬にとっては必要のない色なんですね。同じものを見ているのに不思議ですね。

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