キョンの鳴き声が不気味!【大きな声で苦情殺到】

皆さんはキョンという動物をご存知ですか?

奈良に居る鹿などを見ると、なんかとてもかわいいなと思いますけど、
パッと見た目は似てるんですよね!

鹿より小さくて中型犬の大きさのぐらいのキョンなんですが、
生息する地域の住民からは、なんだかとても評判が悪いんですよね!

なぜなのでしょう?

今日はそんなキョンについてお話したいと思います。

キョンが葉っぱを食べてる写真
目次

キョンの生態

キョンは、大きさ約70~100cmの小型のシカです。体色は茶褐色、腹面は黄色みがかかり、目の上から頭頂にかけて黒い線が走っています。オスにのみ短い角と牙があります。

愛くるしい目が特徴的ですが、眼下腺が発達していて、これにより目が四つに見えることから、別名を「ヨツメジカ」とも呼ばれています。

元は中国南部や台湾に生息していましたが、現在では、千葉県房総半島南部では9市町、東京都伊豆大島にはほぼ全域に分布しています。ちなみにニホンジカと同所的に生息します。

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律により、現在、特定外来生物に指定されています。千葉県では南部を中心に繁殖しており、農作物の食害、人家に侵入して樹木や花を食べるなどの被害が出ています。

キョン
学名Muntiacus reevesi
英名Reeves’s (or Chinese) Muntjac
分布域中国南部,台湾
生息環境山や竹林など
体長70~100cm
背丈40~50cm
体重10~15kg
エサ草や木の根、木の葉、果実ネズミなどの小型の哺乳類。
寿命10年~12年

特定外来生物指定されていて、見た目からするとちょっとかわいそうなキョンですが、繫殖力が強く個体数が激増しています。

キョンは、なぜ日本にいるのか?

中国南部や台湾で生息していた「キョン」が、日本で増加したそもそもの原因は千葉県の勝浦市にあった観光施設(既に閉園)から逃げ出したことだと言われています。

その後、1980年代から房総半島で野生化した個体が目撃されるようになり、温暖な気候が繁殖に適しており、個体数がどんどん増えていきました。

さらには、人口減少や高齢化によって管理されなくなった山や竹林、太陽光発電のパネルの下など、キョンにとって絶好の生息場所が増えていることも原因となっています。

民家の近くにも頻繁に出没し、畑や菜園はもちろん、ガーデニングなども荒らすようになっているなど、被害はかなり深刻です。

キョンの鳴き声は、不気味?

またキョンの鳴き声は独特です。

人間の声、あるいわ、犬の声に似てるとも言われています。

確かに、これを生で聞いたらちょっと怖くて不気味ですよね~。

こんな可愛らしい見た目とは裏腹に『ギャー!』というオッサンの叫び声のような激しい声を出すキョン。
その声を聞くと、住民は「やっぱり気持ち悪い」「夜も鳴くのでうるさくて眠れない」なんて苦情が殺到しているようです。

鳴き声に関しては、キョンが夜行性というのもあって、さすがに特徴すぎるその鳴き声は、近隣住民の方にはちょっと我慢ができないかもしれません。

このキョンの鳴き声は、「警戒」するときに発すると言われていますが、もう一つ関係者を困らせることが起きてます。

それは、命乞いです。

ハンターや罠にで捕獲された際、命乞いのために大きな声で鳴くのだそうです。仲間達に助けを求めているのでしょうが、あまりにも鳴くのと、その瞳を見るとハンターも避けたいという気持ちになってしまうのだそうです。

キョンは、見た目にも不気味な時がある。

キョンは、大きさもそんなに大きくなく、犬の中型犬ぐらいで愛らしく感じますが、
実は目の当たりにちょっとした特徴があります。

別名「四つ目」「ヨツメジカ」と呼ばれる特徴は、その顔の構造に由来します。
キョンの目の下方臭腺の開口部があるのですが、開閉することができるため、時には目が4つあるように認識されることもあります。

動画で見る限り、出たり入ったりしている臭腺は、あまりかわいいものでありません。
この臭腺は、キョンにとっては、大事なもので、自身の縄張りを示すために用いる重要な器官です。特定の物質を分泌してマーキングに利用されます。

キョンは、とにかく繫殖力がすごい

千葉県では、2022年、キョンの数が既に約7万頭まで増えていると推測しています。動物園から逃げ出したたった数匹のキョンですがものすごい繁殖力。一説には、もっといるのではなんて話も・・。

実は、東京都伊豆大島に繁殖しているのです。大島では都立大島公園で飼われていたキョンが、台風で逃げ出し野生化したものとされていますが、天敵がいないこともあってか、東京都の発表によると、こちらも既に約2万9千頭がいるのだそう。

「とにかく繁殖力が強い。キョンは生まれてから半年ぐらいで生殖能力を得てしまうんです。だからどんどん増えてしまう。」

千葉県では被害が深刻化しており、『キョン防除実施計画』を実行していますが、捕獲数は年間で9000頭近くまで伸びてはいるのにもかかわらず、個体数が伸び続けているといういことです。

捕獲してどうするのか?

県は、撲滅を目指し取り組んでいるようですが、駆除した後どうするかが難しいところ。

本来生息地である台湾では、キョンの肉は高級肉として流通されています。

キョンの肉を食べた人は日本国内でも評判が良く・・・・

「キョンの肉は、悪い意味でのクセはなく、肉質も柔らかいので皆さんおいしいともっぱらの評判です。脂身が少ない赤身肉なので、バーベキューで、骨が付いたまま豪快に焼いて食べるのがオススメ」
「味はあっさりとしていてクセがない。高タンパク低脂質。それにビタミンBが豊富です。日本では駆除対象獣で厄介者ですが、台湾では特定保護動物なんです」、等々・・・

ただ、県がジビエとして大々的に扱えないのは、「価値を付けると個体数を増やそうとする人たちが出てくる・・・」こういった事情のようです。

特定外来生物を食べることは規制されてないようなんですが、撲滅の立場をとる県としては、容認できないことでしょう。

一方、キョンの角(つの)は精力剤として高級漢方になり処方されてきた。

また、キョンの革を油でなめしたセーム革は金属や宝石を磨くだけでなく、こするだけで肌がつるつるになることから肌ケアにも最適なんだそうです。

まとめ

見た目はとは裏腹に、近隣住民に厄介もの扱いされるキョン。でもキョンは連れてこられたわけで、何も罪はないのですが、生息環境が合っても日本のお国柄には合わせられないようです。

特定外来生物とし日本には居てはならないという立場のキョン。今後せめて他県には広がらないようにしてもらいたいものです。

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