奈良と言えば、真っ先に「鹿」と連想する方も多いのではないでしょうか?
それくらい、印象が強い鹿さんですが、奈良公園には、現在はおよそ1230頭ほど生息しているようです。
人には慣れていますが、基本的には野生であるため、飼いならしているわけでは、ありません。
そんな中、ちょっと疑問に思う事がありました。
「1200頭もいるシカのフンは、どうやって処理しているのだろう・・・?」
この疑問についてちょっと知らべてみました。
奈良公園の鹿さんは、鹿せんべいが主食?
テレビや動画を見ていると、奈良公園の鹿さんは、鹿せんべいばかりを食べているイメージがありますが、奈良公園のシカは野生動物であり、公園内に生えている植物(シバ、葉っぱ、ドングリなど)を主食とし、それらを自力で食べて生きています。
奈良公園の鹿にとって鹿せんべいは大好物のおやつなんだそうです。
いつ見ても、鹿せんべいばかり食べているので、鹿せんべいが主食だと思っていたのじゃ・・・・
ずっと、人間と共存してきた
1200年も前から人間と共存してきており、鹿さんもただ公園にいるだけではありません。実は鹿さんたちは仕事をしているのです。それは公園を綺麗にする事。
どういうことかと言いますと、鹿さんは公園の芝を食べてくれるのです。よって、公園の芝刈りなどの整備を大幅に軽減できるというわけです。その金額は、人の手を入れれば、数十億円と言われており、鹿さんは公園管理にも大いに貢献していると言えます。
しかしですよ、ここで疑問が湧くわけです。
「1200頭もいる鹿のフンは、誰が掃除してるの?」
「そうっちの方が経費かかるんじゃない?」
奈良公園のシカのフン、誰が掃除してるの?
奈良公園で一日に排出される鹿のフンは、約一トンにもなるそうです。ほかっていたら大変なことになってしまう量ですがどうなっているのでしょうか?
でも奈良公園事務所によると、人の手では全く掃除していないそうです。
はったらかしだと、それこそ鹿のフンだらけじゃぞ・・・・
小さな虫が活躍しています
それは、足元に答えがありました。
この、鹿のフンを処理しているのは、小さな虫、通称「フン虫」。シカのフンをエサにするコガネムシで自然界の掃除屋さんなのです。
名前がフン虫というだけあって、ちょっとイメージ湧かないかもしれませんが、グリーン色に輝く結構美しい見た目をしていたりして、少し想像と違うかもしれません。
日本には、約150種のフン虫がいるそうですが、そのうちの約50種が奈良公園で生息しているそうです。
奈良公園は、まるで「ふん虫」の昆虫園じゃな!
そのフン虫というのは、大きさは約5㎜~30㎜ぐらいで、鹿のフンの中に素早く潜り込み、黒豆の大きさのフンを1日でおがくずのように分解してしまうという早業。しかも、ハエが産み付けた卵も一緒に食べてしまい、ハエの発生も防ぐ。という優れた掃除屋さんなのです。
そしてこのフンの栄養でまた芝が育ち、その芝を鹿が食べるという自然の黄金サイクルができているわけです。
自然ってすごいですよね。フン虫がいなかったら、奈良公園は鹿のフンだらけになっていたかもしれません。
【鹿のフン】フン虫のおかげで、鹿と人間が共存できる
シカは公園管理にも大いに貢献していて、歩くかわいい芝刈り機でもあるわけですが、このフン虫とは、切っても切れない関係にあるようです。
もしかしたら、鹿と人間が共存できるのは、フン虫のおかげかもしれませんね!
ちなみにですが鹿せんべいはシカの大好物のおやつですが、それ以外の食べ物(お菓子、パン、野菜、残飯など)を与えるとシカが病気になったり、事故につながったりするおそれがあるので、禁止されています。